ハイクラス転職

ハイクラス転職は30代半ばから厳しい?元役員が統計と自分の転職活動で確かめたこと

30代後半・40代のハイクラス転職は、統計では賃金が上がる人の方が多い。ただ決まるまでは楽ではなく、転職回数も見られます。元役員が自分の転職活動と公的な統計から、スカウト型とエージェント型の使い分けまでまとめました。

30代後半・40代のハイクラス転職は、統計で見ると、転職して賃金が上がった人の方が下がった人より多い年代です。ただ、決まるまでは楽ではなく、転職回数も見られます。私は年商1億円の会社を7年で年商20億円まで育てた元役員で、2026年の春にハイクラス向けのスカウト型サービスで転職活動をしました。このページでは、そのときの実感と、国の統計・各サービスの公式情報を突き合わせて、何をどう使えばいいかをまとめます。

「ハイクラス」に、決まった定義はない

ハイクラス転職という言葉に、法律や国の定義はありません。各サービスが、自社の基準で書いているだけです。

サービス運営公式に書いている対象
リクルートダイレクトスカウト株式会社インディードリクルートパートナーズ個人向けのトップに年収の条件は書いていない。「年収800万〜2,000万円の求人を多数掲載」
JAC Recruitment株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント年収600万円超が主なターゲット(決算説明会での説明)。管理職・エグゼクティブ・専門職
Samurai Jobムーンコミュニケーションズ・エンタープライゼス合同会社とJACの共同運営年収700万〜2,000万円。30代・40代を中心に、課長〜役員クラス
シンシアードsincereed株式会社年収800万〜1,500万円の求人。大手人気企業の転職支援に特化
ビズリーチ株式会社ビズリーチ年収の足切りは書いていない。登録後に、非公開の基準で審査

線の引き方は、年収600万円から800万円まで、会社ごとにばらばらです。「自分はハイクラスに入るのか」と悩むより、登録してどんな声がかかるかを見る方が早い。私はそう感じました。

統計で見ると、30代後半・40代の転職は「上がる人の方が多い」

厚生労働省の雇用動向調査(2025年)で、転職した人の賃金が前の仕事と比べてどう変わったかを、年齢別に見ます。

転職したときの年齢増えたうち1割以上増えた変わらない減った
30〜34歳48.6%32.8%20.8%29.0%
35〜39歳43.5%32.8%28.1%23.9%
40〜44歳44.9%29.9%24.6%27.4%
45〜49歳41.1%30.0%28.0%30.1%
50〜54歳29.4%18.4%26.7%42.0%

35〜39歳で「1割以上増えた」人は32.8%で、30代前半と同じです。「増えた」が「減った」を上回るのは40代後半までで、50〜54歳で逆転します。

動いている人も増えています。大手3社(インディードリクルートパートナーズ、JAC、パーソルキャリア)の紹介で転職した人を、日本人材紹介事業協会がまとめています。2025年度は全体が前の年の99.3%と減ったのに、41歳以上は111.7%と増え、27,770人で全体の20.5%になりました。増えたのは36歳以上だけです。

この統計は、転職が決まった人の賃金の比較です。応募して決まらなかった人は入っていません。決まった人は上がっている。でも、決まるまでの道は楽ではない。私の実感と統計は、どちらも本当だと思います。

もう一つ、総務省の労働力調査(2025年)では、今の仕事を辞めたい・変えたい人は1,023万人いました。実際に転職したのは330万人です。動きたい人の多くは、まだ動いていません。

転職回数は、見られる

企業の中途採用の担当者1,500人に聞いたマイナビの調査(2025年版)では、77.6%が応募者の転職回数を「気にする」と答えています。

35歳以上のミドル層については、エン・ジャパンが人材紹介会社のコンサルタント243人に聞いた調査があります。企業の回答ではなく、紹介会社の担当者の見立てです。

  • 採用企業が転職回数を気にし始めるのは「3回目から」が最多(34%)
  • 気にする理由の最多は「長く働いてくれるかへの不安」(80%)
  • 転職回数が多いミドルを選ぶとき、企業が評価する点の最多は「高い専門スキル」(82%)

外資系の方が回数に寛容なのかを、日系と同じ条件で比べた数字つきの調査は、見つけられませんでした。JACは、自社で外資系企業に転職した人の転職回数を公開しています。30代後半では、0〜3回の人が約9割でした。ただ、日系の同じ数字がないので、比べることはできません。ここは私の実感として読んでください。

回数は変えられません。変えられるのは、説明の仕方です。どの経験で、何を任され、何ができるようになったか。調査でも、回数が多くても評価されるのは専門性でした。

スカウト型とエージェント型、何が違うか

厚生労働省は、民間の人材サービスを大きく2つに分けて説明しています。

  • 職業紹介(いわゆるエージェント):求職者と企業の両方から申し込みを受けて、間に立つ。国の許可が必要
  • 募集情報等提供(求人サイト・スカウトなど):企業や紹介会社からスカウトが届く。料金は企業が払う

スカウト型のサービスには、企業が直接スカウトする場合と、ヘッドハンター(紹介会社)がスカウトする場合が混ざっています。

くらべる点スカウト型エージェント型
例リクルートダイレクトスカウト、ビズリーチJAC Recruitment、Samurai Job、シンシアード
始め方経歴を登録して、声がかかるのを待つ登録して、担当のコンサルタントと面談する
向いていること自分にどんな会社が、どんな条件で声をかけるかを知る求人を選んでもらう、条件の交渉や入社日の調整を任せる
料金求職者は無料(ビズリーチには有料プランもある)求職者は無料
気をつける点今の会社に見られないブロック機能も、万能ではない担当者との相性で、紹介される求人が変わる

ブロック機能の注意は、リクルートダイレクトスカウトの会員規約に書かれています。社名が変わった会社や、設定した直後などは、指定した会社に情報が公開されることがある、とあります。今の会社に知られたくない人は、設定したから安心とは思わないでください。

ビズリーチは、無料のプランでもスカウトを読んで返信できます。有料プラン(30日5,478円・税込)で増えるのは、仕事の価値観の診断と、キャリアの相談の窓口です(2026年10月2日時点の公式のよくある質問)。

なぜ無料なのか:お金を払っているのは企業

転職サービスが求職者に無料なのは、採用が決まったときに企業が手数料を払う仕組みだからです。

同じリクルート系でも、企業の負担は経路で違います。法人向けの公式ページでは、リクルートダイレクトスカウト経由なら入社時の理論年収の15%、リクルートエージェント経由なら35%と書かれています。

法律では、紹介会社は原則として求職者から手数料を取れません。例外は、年収700万円を超える経営管理者や科学技術者などです。それでも、この記事で取り上げたサービスは、どれも求職者が無料で使えると公式に書いています(ビズリーチには任意の有料プランもあります)。紹介会社には手数料表を求職者に示す義務があり、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で、手数料率の実績も見られます。

私なら、こう使い分ける

あなたの状況最初に使うもの
転職するか決めていない。自分の市場価値を知りたいスカウト型。経歴を登録して、声のかかり方を見る
受けたい業界や役職が決まっている。交渉も任せたいエージェント型。JACは企業側と求職者側を同じコンサルタントが担当する形
外資系・グローバル企業を考えている外資系に強いエージェント(Samurai JobはJACと共同運営)
大手の人気企業に絞りたい大手人気企業に特化したエージェント(シンシアードなど)

私は、スカウト型を使いました。転職するかどうかを決めずに、外からの評価を集められるからです。スカウト型とエージェント型は、どちらか一つに絞る必要はありません。

市場価値を確かめることそのものの意味は、転職しなくても転職活動はしていいに書きました。

内定が出たら、確かめること

2024年4月から、企業や紹介会社が示す労働条件に、「仕事の内容が変わる範囲」と「働く場所が変わる範囲」が加わりました。条件は原則、面接など最初に接する時点までに示すことになっていて、途中で変わったときは、変わった内容を示す必要があります。

厚生労働省の求職者向けの案内には、紹介会社を通じて条件の変更を頼み「変更された」と聞いたのに、入社したら変わっていなかった例が載っています。内定のときは、口頭ではなく、書面で条件を確かめてください。

退職については、期間の定めのない雇用なら、2週間前までに申し出れば辞められます。紹介会社など、第三者の指示に従う必要はありません(同じ案内より)。

よくある質問

Q. ハイクラス転職は、年収いくらからが対象?

決まった基準はありません。公式に書かれている目安は、年収600万円から800万円以上まで、サービスごとに違います。ビズリーチのように、年収の足切りを書かず、登録後に審査するところもあります。

Q. 30代後半からでも、ハイクラス転職は間に合う?

統計では、35〜39歳で転職した人のうち、賃金が増えた人は43.5%、減った人は23.9%でした。大手3社の紹介でも、36歳以上の転職は増えています。ただ、私の実感では、決まるまでは楽ではありませんでした。

Q. 転職回数が多いと、ハイクラス転職は無理?

無理とは限りません。人事担当者の77.6%は回数を気にします。一方、人材紹介会社のコンサルタントへの調査では、回数が多いミドルで評価される点の最多は「高い専門スキル」でした。何を任されて、何ができるようになったかを、経歴の先頭に書いてください。

Q. ハイクラス向けのサービスは、お金がかかる?

この記事で取り上げたサービスは、どれも求職者は無料と公式に書いています。採用が決まったときに、企業が手数料を払う仕組みです。ビズリーチには有料プランもありますが、無料のプランでもスカウトを読んで返信できます。

まとめ

  • 統計では、30代後半・40代の転職者は、賃金が上がった人の方が多い。ただ、決まるまでは楽ではない
  • 転職回数は見られる。変えられない回数より、専門性の伝え方を磨く
  • 市場価値を知るならスカウト型、交渉まで任せるならエージェント型。どちらも求職者は無料

次の一歩は、スカウト型のサービスに経歴を登録して、1か月だけ、どんな声がかかるかを見てみることです。

出典・参考

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