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クラウドFAXに替える前に確かめる5つ。番号・保存期間・電子帳簿保存法と月額の比べ方(2026年10月)
元役員(年商1億→20億)中小企業7社の顧問AI導入のコンサル10件
取引先がFAXで注文や請求書を送ってくる限り、会社からFAXをなくすことはできません。それでも、FAX機の前で紙を待つのはやめられます。クラウドFAXに替えると、届いたFAXをパソコンやスマホで見られて、送るときも紙に印刷せずに済みます。
ただ、替えてから困ることもあります。番号が変わる、受信が数か月で消える、電子帳簿保存法の扱いが変わる、といった点です。このページでは、替える前に確かめる5つと、月額の比べ方をまとめます。料金は、どれも各社の公式サイトで確かめた数字です(確認日:2026-10-14)。
FAXは、まだなくならない
総務省の通信利用動向調査では、世帯のFAXの保有率は、平成25年の4割台から、令和7年には2割台まで下がっています。家庭からは減っていますが、会社どうしの注文書や請求書のやりとりでは、まだFAXを使う取引先が残っています。
自分の会社だけでFAXをやめると、取引先に「メールで送ってください」とお願いすることになります。相手の仕事のやり方を変えてもらうのは、簡単ではありません。そこで、受け取る側の自分の会社だけ、紙のFAX機をやめる方法がクラウドFAXです。
替える前に確かめる5つ
| 確かめること | 見るところ |
|---|---|
| 1. 今の番号を使えるか | 新しい番号になるか。050か、市外局番を選べるか |
| 2. 受信をいつまで保存できるか | サービス側の保存期間。過ぎると消える |
| 3. 電子帳簿保存法での扱い | 受け取った請求書を、データで保存する手順を決めているか |
| 4. 月の送受信の枚数 | 受信と送信、それぞれ月に何枚か |
| 5. 契約の条件 | 最低利用期間、解約金、支払い方法、本人確認 |
1. 今の番号を使えるか
多くのクラウドFAXでは、新しい番号が割り当てられます。たとえばMOVFAXは、050から始まる11桁の番号で、今使っているFAX番号をそのまま使うことはできないと公式に書かれています。市外局番の番号(03・06・045)は月110円のオプションですが、その地域に拠点がある会社に限られます。
番号が変わると、取引先に新しい番号を知らせる必要があります。知らせる手間をかけたくないなら、今の番号に届いたFAXを新しい番号へ転送する方法があります。電話会社の転送サービスや、複合機の転送機能で対応できる場合があると、MOVFAXの公式サイトに書かれています。
送る側でも注意があります。MOVFAXは、相手に表示される番号が、利用者共通の送信用の番号になります。初めて送る相手には、送付状に自社名と折り返しの番号を書いておくと安心です。
2. 受信をいつまで保存できるか
クラウドFAXは、受け取ったFAXをサービスの中に置いておけますが、期限があります。MOVFAXは受信も送信の履歴も4か月分で、それより前のものは自分でダウンロードしておく必要があります。Message+(メッセージプラス)は、保存できる件数が500件までと書かれています。
「クラウドにあるから大丈夫」と思って放っておくと、半年前の注文書が見つからない、ということが起きます。受け取ったら、会社の共有フォルダに保存する手順を最初に決めておきます。
3. 電子帳簿保存法での扱い
ここがいちばん大事です。国税庁の電子帳簿保存法一問一答(電子取引関係)では、紙を出さないFAX機能つきの複合機で受け取った取引は「電子取引」に当たり、データのまま保存する必要があるとされています(問2・問5)。
クラウドFAXでPDFとして受け取る場合も、考え方は同じになると考えられます。つまり、紙に印刷して保存するだけでは足りず、データそのものを保存する必要がある可能性が高い、ということです。2024年1月からは、電子取引のデータを紙に印刷して保存する方法は認められていません。
保存のしかたには決まりがあります。改ざんを防ぐために、タイムスタンプをつけるか、事務処理規程を作って運用する、などです。2年前の売上高が5,000万円以下で、税務調査のときにデータのダウンロードの求めに応じられるなら、検索のための要件が不要になる場合もあります。
紙のFAX機で紙として受け取る場合は、これまでどおり紙で保存できます。クラウドFAXに替えると保存のやり方が変わるので、替える前に顧問の税理士に「クラウドFAXで受け取った請求書の保存方法」を確かめてください。
4. 月の送受信の枚数
月額で差がつくのは、受信の枚数です。先月FAXで受け取った枚数と送った枚数を、ざっと数えてから比べます。
| サービス | 月額(税込) | 込みの枚数 | 超えた分・送信 | 番号 |
|---|---|---|---|---|
| MOVFAX スタンダード | 1,078円 | 受信は月1,000枚まで無料 | 受信1,001枚目から1枚11円。送信は1枚11円 | 050(市外局番はオプション) |
| eFax | 2,585円(月払い) | 送信・受信とも月150ページまで | 超えた分は1ページ11円 | 主要都市の市外局番・050 |
| jFax | 1,430円(月払い) | 受信100ページ・送信50ページまで | 超えた分は1ページ11円 | 03・06・050 |
| Message+ | 1,045円(月払い) | 受信は無料 | 送信は1ページ16円 | 050 |
どれも、初めに1,100円ほどの登録料・初期費用がかかります(Message+は年払いなら0円)。eFaxとjFaxは、60秒を1ページとして数えると書かれています。
たとえば、受信が月100枚・送信が月30枚の会社なら、月額はおおよそ次のとおりです。
- MOVFAX:1,078円+送信30枚×11円=約1,410円
- jFax:1,430円(込みの枚数の範囲内)
- Message+:1,045円+送信30ページ×16円=約1,530円
- eFax:2,585円(込みの枚数の範囲内)
この枚数なら、MOVFAXとjFaxはほとんど同じです。差がつくのは受信が多い会社で、受信が月に数百枚あるなら、受信が1,000枚まで無料のMOVFAXが有利になります。反対に、送信が多い会社は、送信の込みの枚数があるサービスも比べてください。
5. 契約の条件
MOVFAXは、料金ページに「申し込んだ月(初月)は解約できない」、よくある質問に「最低利用期間は契約した月と翌月」と書かれていて、解約金や違約金はないとしています。支払いはクレジットカードだけで、請求書払いはありません。申し込みのときは、犯罪収益移転防止法にもとづく本人確認があり、法人は登記事項証明書と印鑑証明書が必要です。開通の通知は郵送で届き、通常は1〜3営業日で使い始められると書かれています。
無料のお試し期間は、MOVFAXの公式サイトには書かれていません(2026-10-14時点では、月額基本料金の30日分を割り引くキャンペーンの表示がありました)。
替えるときの順番
- 先月のFAXの受信枚数と送信枚数を数える
- 顧問の税理士に、クラウドFAXで受け取った請求書の保存方法を確かめる
- 番号を変えるか、今の番号から転送するかを決める
- 受け取ったFAXを保存するフォルダと、保存する人を決める
- 契約して、しばらくは紙のFAX機と並べて使う。取引先からの受信が新しい番号に切り替わったのを確かめてから、FAX機の回線をやめる
いきなりFAX機を外すと、番号の変更を知らない取引先からのFAXを取りこぼします。1〜2か月は並べて使うつもりで始めてください。
よくある質問
Q. 今のFAX番号のまま、クラウドFAXにできますか?
MOVFAXやMessage+は、今の番号をそのまま使うことはできないと公式に書かれています。電話会社の着信転送で、今の番号に届いたFAXを新しい番号へ回せる場合があります。転送できるかどうかは、今契約している電話会社に確かめてください。
Q. クラウドFAXで受け取った請求書は、印刷して保存すればいいですか?
印刷だけでは足りない可能性が高いです。国税庁は、紙を出さないFAX機能つき複合機での受け取りを電子取引としていて、データのまま保存する必要があるとしています。クラウドFAXでの受け取りも同じ考え方になると考えられるので、保存方法は顧問の税理士に確かめてください。
Q. スマホだけで使えますか?
MOVFAXは、受信したFAXをスマホのブラウザで見られます。送るときは、管理画面からファイルをアップロードするか、メールで送る方法があります。
Q. 送れない相手はありますか?
MOVFAXの場合、090・080・070・020から始まる番号と海外には送れないと書かれています。コンビニのFAX機からは、050の番号へ送れない場合があるとも書かれています。
まとめ
- クラウドFAXに替えると、FAX機の前で紙を待たずに済む。ただし番号は変わることが多い
- 受け取った請求書は、データで保存する必要がある可能性が高い。替える前に税理士に確かめる
- 月額は受信の枚数で差がつく。受信が多いなら、受信の無料枠が大きいサービスを選ぶ
次の一歩:先月FAXで受け取った枚数と送った枚数を、紙の束かFAX機の履歴で数えてみてください。その2つの数字があれば、どのサービスが安いかはすぐに決まります。
毎月払っているサービス全体の見直し方は、会社のサブスク見直しは明細からにまとめています。請求書を作る側の手間を減らす方法は、請求書の自動化、AIに任せるのは作るまでにまとめました。
出典・参考
- MOVFAX 料金・よくある質問・機能・本人確認(確認日:2026-10-14)
- eFax 料金(確認日:2026-10-14)
- jFax 料金(確認日:2026-10-14)
- Message+ サービス仕様・よくある質問(確認日:2026-10-14)
- 電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】令和8年7月(国税庁)(確認日:2026-10-14)
- 令和7年通信利用動向調査の結果(総務省)(確認日:2026-10-14)
この記事で触れた道具
MOVFAX(モバックス)
パソコンやスマホでFAXを送受信できるクラウドFAX。受信は月1,000枚まで無料。受信したFAXはWeb画面で見られ、通知メールに添付もできる。番号は050から始まる11桁(03・06・045はオプション)
初期費用1,100円、スタンダード月1,078円(1ID)、プレミアム月4,378円(5ID)。送信は1枚11円(すべて税込)。最低利用期間は契約月と翌月、解約金なし。運営は日本テレネット株式会社(2026-10-14確認)
MOVFAXの公式サイトを見る
リンク先で申し込みがあると、このサイトが紹介料を受け取ることがあります。料金や条件は変わることがあるので、申し込む前に公式サイトで確かめてください。
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