夜勤明けの次の日が、もう日勤。きついと感じるのは、甘えではありません。結論から言うと、それだけで法律違反とは言いにくいです。労働基準法には、夜勤明けの翌日を休みにしなさい、という決まりがないからです。でも、朝9時に帰って翌朝8時半に出勤なら、間は23時間半。日本看護協会のガイドラインが目安にしている24時間に届きません。このページでは、違反になりうる場面、勤務表で数えること、師長への伝え方をまとめます。
夜勤明けの次の日が日勤、これって違法?
「それだけで違法」とは言いにくい、というのが答えです。法律で決まっていることと、決まっていないことを分けてみます。
| こと | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 休日 | 毎週少なくとも1日、または4週間で4日以上 | 労働基準法35条 |
| 休憩 | 8時間をこえる勤務は、途中で1時間以上 | 労働基準法34条 |
| 夜勤明けの翌日の休み | 法律の決まりはない | なし |
| 勤務と勤務の間の休息 | 導入は職場の努力義務 | 労働時間等設定改善法 |
いちばん下の「勤務間インターバル」は、仕事が終わってから次の仕事が始まるまで、一定の休息をとる制度です。2019年4月から、導入が職場の努力義務になりました。義務にするかどうかの議論は続いていますが、確定した施行日は確認できていません(2026-11-02時点)。
法律違反になりうるのは、別のところ
夜勤明けの翌日の日勤そのものより、次の3つを確かめてください。
- 休日が足りているか:明けの日は、法律の休日には当たらないのが原則です(交替制には例外があります)。明けを除いて、丸1日の休みが4週間に4日以上あるか。くわしくは夜勤明けとは?のページにまとめています
- 残業代が出ているか:明けの朝の記録や申し送りで残った時間が、勤務時間として付いているか
- 休憩がとれているか:夜勤の途中で、決められた休憩をとれているか。とれないときのことは休憩が取れないときのページにまとめています
きつさの正体は「間の時間」
法律に違反していなくても、きついものはきついです。勤務と勤務の間を、時計で数えてみます。時刻は例です。
| 勤務の組み方 | 間の時間 | 目安との差 |
|---|---|---|
| 2交代の夜勤が9時に終わり、翌朝8時半に日勤 | 23時間30分 | 24時間に30分足りない |
| 夜勤が残業で10時に終わり、翌朝8時半に日勤 | 22時間30分 | 24時間に1時間30分足りない |
| 夜勤が9時に終わり、翌日は休み。翌々日の8時半に日勤 | 47時間30分 | 24時間をこえる |
| 3交代の日勤が17時に終わり、その夜0時に深夜勤 | 7時間 | 11時間に4時間足りない |
目安にしたのは、日本看護協会の「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」です。勤務と勤務の間は11時間以上あける。1回の夜勤のあとは、おおむね24時間以上の休息が望ましい。2回連続の夜勤のあとは、おおむね48時間以上。法律ではありませんが、看護職の働き方の基準として示されています。
23時間半といっても、全部を休めるわけではありません。片道30分の通勤なら、家にいられるのは22時間半。そこから食事とお風呂、翌朝の支度を引くと、眠れる時間はもっと減ります。しかも、一晩働いて昼夜が逆になった体で眠る時間です。
間の時間が短いと、体に響くという研究もあります。日本看護協会の資料が紹介している、スウェーデンの交代勤務者(医療・看護職が約4割)の研究では、勤務の間が11時間未満の人は、11時間以上の人と比べて、疲労が1.71倍、不眠が2.12倍でした。
一方で、2025年の病院の調査では、「1回の夜勤のあとは、おおむね24時間以上の休息」を勤務表のルールとして決めている病院は69.2%でした。裏を返すと、ルールにしていない病院もあります。
来月の勤務表で、3つ数える
「きつい」と言う前に、数を出しておくと話が進みます。
対象の月: 月 夜勤の回数: 回(2回連続は 回) 明けの翌日が勤務の回数: 回 いちばん短い「夜勤の終わり→次の勤務」: 時間 明けを除いた、丸1日の休み: 日 明けの翌日の勤務で、ひやっとしたこと:
いちばん下の欄は、埋まらなくてかまいません。書けることがあれば、師長に伝えるときの材料になります。
師長に伝えるときの文例
「きついです」だけだと、「みんなやってるから」で終わりがちです。回数と、患者さんの安全の話にすると、勤務表の相談として聞いてもらいやすくなります。
来月以降の勤務のことで、相談させてください。 今月は、夜勤明けの次の日が日勤の組み合わせが○回ありました。 夜勤が終わってから次の出勤まで、23時間半ほどです。 翌日の日勤で集中が続かず、確認に時間がかかっていて、安全面が心配です。 明けの次の日が休みになる回を、月に○回でも増やしていただけないでしょうか。
勤務希望を出せる職場なら、明けになりそうな日の翌日に、休みの希望を入れておく方法もあります。
変わらないなら、明けの次の日に有給休暇を入れる
勤務表が変わらないときに現実的なのは、明けの次の日の日勤に、有給休暇を申請することです。
- 有給休暇は、働く日に取るものです。もともと休みの日(公休)には使えません
- 取る日を決めるのは、働く人です。何のために使うかも、原則として自由です
- ただし、その日に休まれると事業の正常な運営を妨げる場合、職場は別の日に変えることができます。これに当たるかは、代わりの人を手配できるかなども含めて、個別に判断されます
夜勤明けの日そのものに、有給休暇は使える?
有給休暇は1日単位が基本で、その1日は原則として0時から24時で数える、と解説されています。明けの日は0時をこえて働いているので、丸1日の有給休暇にはなりにくい、というのが一般的な考え方です。ただ、夜勤明けについて直接書いた国の案内は、見つけられませんでした。職場の就業規則を確かめて、迷ったら下の相談先に聞いてください。
次の職場を選ぶなら、ここを聞く
転職を考えるなら、求人票だけでは分からないところを、入る前に聞いておきましょう。
| 確かめること | 聞き方の例 | なぜ |
|---|---|---|
| 明けの翌日 | 「夜勤明けの翌日は、お休みになることが多いですか」 | 明けのすぐあとに勤務が来ないか |
| 勤務の間隔 | 「勤務と勤務の間は、何時間くらいあいていますか」 | ガイドラインの目安は11時間以上 |
| 勤務表のルール | 「勤務表を作るときに、決めているルールはありますか」 | 病院によってルールがちがう |
面接で聞きにくいときは、担当者がつく転職サイトに確かめてもらう方法もあります。比べ方は看護師の転職サイトの選び方・比べ方に、担当者に頼めることの例はナースJJの評判のページにまとめています。
夜勤そのものをやめたい人は、夜勤なしで生活できるかのページも見てみてください。
体がもたないと感じたら
眠れない日が続く、気持ちが沈む、ミスがこわくて出勤がつらい。そんなときは、回数を数えるより先に、休むことと受診を考えてください。職場に産業医や健康相談の窓口があれば、そこに話すのも一つの方法です。
どこに相談するか
- 今の職場の勤務表のこと:師長、看護部、人事。職場に労働組合があれば、組合にも相談できます
- 休日や残業代がおかしいと感じたら:各地の総合労働相談コーナー(無料)や労働基準監督署
- 次の職場のこと:看護師の転職サイト(担当者がつく紹介会社)、求人サイト、ナースセンター(都道府県の看護協会の無料の職業紹介)
よくある質問
Q. 夜勤明けの日の夜に、また夜勤が入っている
たとえば9時に終わって、その日の16時半にまた夜勤なら、間は7時間30分です。ガイドラインの勤務間隔の目安である11時間に届きません。夜勤の連続は2回まで、2回連続のあとはおおむね48時間以上の休息、というのがガイドラインの目安です。
Q. 「明け」と「公休」が同じ日についている
0時をこえて働いた日は、法律の休日には当たらないのが原則です(交替制には例外があります)。勤務表の見方は夜勤明けとは?のページにまとめています。まず就業規則で、休日の決まりを確かめてください。
Q. 申請していないのに、明けの日が有給休暇になっていた
有給休暇は、働く人が請求した時季に与えるのが原則です。例外として、労使協定で計画的に割り振る制度や、年5日分を職場が本人の意見を聞いて日を決める制度があります。心当たりがなければ、事務の担当者に理由を聞いてみてください。
Q. 明けの日に、研修や会議が入っている
厚生労働省のガイドラインでは、参加が業務として義務づけられている研修の時間は、労働時間に当たるとされています。日付と時間をメモしておきましょう。
Q. 労働基準監督署に相談できる?
休日が足りない、残業代が出ないといった、法律違反の疑いがあることは相談できます。違反かどうか分からない段階なら、総合労働相談コーナー(無料)で聞いてみてください。
まとめ
- 夜勤明けの翌日の日勤は、それだけで違法とは言いにくい。確かめるのは、休日・残業代・休憩の3つ
- 9時に終わって翌朝8時半に出勤なら、間は23時間半。ガイドラインの目安の24時間に届かない
- 回数を数えて、師長に相談する。変わらなければ、明けの次の日に有給休暇を入れるか、次の職場で確かめる
次の一歩:来月の勤務表を開いて、「明」の次の日が勤務になっている回数だけ数えてみてください。
出典・参考
- 休日(第35条)|和歌山労働局(厚生労働省)(確認日:2026-10-02)
- モデル就業規則(令和7年12月版)第4章 労働時間、休憩及び休日(厚生労働省)(確認日:2026-10-02)
- 勤務間インターバル制度とは|働き方・休み方改善ポータルサイト(厚生労働省)(確認日:2026-10-02)
- 看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン(日本看護協会・2013年2月)(確認日:2026-11-02)
- 就業継続が可能な看護職の働き方の提案(日本看護協会・2021年3月)(確認日:2026-11-02)
- 2025年 病院看護実態調査 報告書(日本看護協会)(確認日:2026-10-02)
- 年次有給休暇|確かめよう労働条件(厚生労働省)(確認日:2026-11-02)
- 年次有給休暇のQ&A|確かめよう労働条件(厚生労働省)(確認日:2026-11-02)
- 年休取得日に一部勤務は? 2暦日またがり勤務(労働新聞社)(確認日:2026-11-02)
- 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(厚生労働省)(確認日:2026-10-02)
- 総合労働相談コーナーのご案内(厚生労働省)(確認日:2026-10-02)
- eナースセンター(都道府県看護協会による無料職業紹介事業)(確認日:2026-10-02)

