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動画「みおの転職日記」第11話を見た人へ

一度は急性期を経験しないとダメ?病棟の種類と、続けられる職場の選び方

「一度は急性期」は、決まりではありません。急性期の経験は大切。でも、それだけが看護ではありません。国の病床の分け方、病床の約4割が回復期・慢性期であること、自分が続けられる職場の選び方をまとめました。

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「一度は急性期を経験しないと」。学校や職場で、そう言われたことがある人へ。急性期の経験は、たしかに大切なものです。でも、看護師の免許に「急性期の経験」という条件はありません。病院の病床には役割のちがう種類があり、どの場所にも、それぞれの看護があります。大事なのは「べき」ではなく、あなたが続けられて、身につけたいことがある場所を選ぶことです。

なぜ「一度は急性期」と言われるのか

急性期の病棟は、国の説明では「急性期の患者に対し、状態の早期安定化に向けて、医療を提供する」場所です。状態が急に変わる患者さんを受け持ち、処置や検査も多い。そこで身につく経験が、ほかの職場で役に立つ場面は、たしかにあります。

「一度は」と言う人は、あなたのためを思って言っているのかもしれません。

ただし、それは「急性期を通らなければ、看護師として足りない」という意味ではありません。日本看護協会が示している、看護師に求められる能力の全体像(看護師のまなびサポートブック)も、年代や活躍している場、働いているかどうかを問わず、すべての看護師を対象にしたものです。看護の力は、働く場所ごとに、それぞれの形で育っていきます。

病院の病床は、役割で分かれている

国は「病床機能報告」という制度で、病院などに、病棟ごとの役割を4つの中から1つ選んで報告してもらっています。それぞれの説明は、こうです。

種類国の説明(要約)
高度急性期急性期の患者さんに、状態を早く安定させるため、診療の密度が特に高い医療を行う。救命救急病棟、集中治療室、ハイケアユニット、新生児集中治療室などが例
急性期急性期の患者さんに、状態を早く安定させるための医療を行う
回復期急性期を過ぎた患者さんに、家に帰ることに向けた医療やリハビリテーションを行う。脳血管疾患や大腿骨頚部骨折などの患者さんに、日常生活の動作(ADL)の向上や在宅復帰のためのリハビリテーションを集中して行う機能も含む
慢性期長い期間、療養が必要な患者さんが入院する。長い療養が必要な重い障害のある人、筋ジストロフィーや難病の患者さんなどの入院も含む

数字で見る、病床の内訳

2025年度の病床機能報告(2025年7月時点。各医療機関が病棟ごとに報告)では、全国の病床はこう分かれていました。

種類病床の数割合
高度急性期160,140床14%
急性期500,106床43%
回復期210,775床18%
慢性期292,758床25%
合計1,163,779床

回復期と慢性期をあわせると、病床の約4割(43%)です。これは病床(ベッド)の数で、看護師の人数ではありません。それでも、急性期ではない病棟が、病院の大きな部分を支えていることが分かります。

病院の外にも、看護師の職場は広がっています。厚生労働省の統計では、2024年末に病院以外(診療所・訪問看護ステーション・介護施設など)で働いていた看護師は、約46万7千人でした(働く看護師の総数から、病院で働く人数を引いた数)。職場ごとの内訳は、病院の外で資格を活かす道のページにまとめています。

急性期以外の場所で、関わることが多い場面

国の説明から言える範囲で、それぞれの病棟で関わることが多い場面をまとめました。実際の仕事は、病院や病棟ごとにちがいます。

病棟国の説明にある役割関わることが多い場面
回復期在宅復帰に向けた医療やリハビリテーション、ADLの向上食事・移動・排泄など、日常生活の動作を取り戻す支え。退院して家で暮らす準備
慢性期長い期間、療養が必要な人の入院長い療養生活を、日々の変化に気づきながら支える
包括期(2026年度から)高齢者などの急性期の治療と、入院早期からのリハビリテーション、早期の在宅復帰治療と、生活に戻る支えの両方

専門性も、急性期だけのものではありません。日本看護協会の認定看護師の分野(19分野)には、クリティカルケアのような急性期の分野と並んで、在宅ケア、認知症看護、摂食嚥下障害看護、皮膚・排泄ケア、脳卒中看護、緩和ケア、心不全看護なども入っています。

「べき」ではなく、自分の物差しで選ぶ

「一度は急性期」は、だれかの経験から出た一つの意見です。あなたの人生の決まりではありません。決めるのは、あなたです。

迷ったときは、続けて働く人が何を大事にしているかも参考になります。日本看護協会の「2025年 看護職員実態調査」で、看護職として働き続けるために大事にすること(3つまで)をたずねると、多い順に、こうでした。

働き続けるために大事にすること割合
業務や役割、責任に見合った賃金額である53.6%
休みがとりやすい49.6%
職場の人間関係が良い48.5%

同じ調査では、転職したことがある人が50.9%でした(日本看護協会の会員から選んだ人への調査)。職場を変えることは、めずらしいことではありません。

もちろん、急性期で学びたいと思うなら、それもあなたの大事な選択です。どちらを選ぶにしても、「言われたから」ではなく、「自分がそうしたいから」で選べると、あとで迷いにくくなります。

自分の物差しメモ
看護師になって、うれしかった場面(3つ):
もっと身につけたいこと:
続けるために必要な条件:(例:夜勤の回数、休み、通勤時間、人間関係)
できれば避けたいこと:
急性期の経験について、今の気持ち:(してみたい・今はしない・まだ分からない)

次の職場で確かめること

病棟の種類を変えるときは、仕事の流れも変わります。入る前に、ここを聞いておきましょう。

確かめること聞き方の例なぜ
病棟の役割「この病棟は、どんな患者さんが多いですか」同じ名前の病棟でも、患者さんの状態は病院ごとにちがう
入ってからの教え方「ほかの分野から来た人には、どんな研修がありますか」分野が変わると、覚えることも変わる
経験の活かし方「前の病棟の経験は、どんな場面で役に立ちますか」自分の経験が、どう見てもらえるかが分かる
学べること「勉強会や、資格をとるための支援はありますか」身につけたいことがある人は、学ぶ機会も大事
夜勤と休み「夜勤は月に何回くらいで、休みはとりやすいですか」続けられるかどうかに直結する

どこに相談するか

このページの悩みなら、選ぶときは「病棟の種類(急性期・回復期・慢性期など)や施設の種類で、常勤の求人を絞って探せるか」と「すぐ転職しなくても、話を聞いてもらえるか」を見てください。

転職サイトの比べ方は、看護師の転職サイトの選び方・比べ方にまとめています。

よくある質問

Q. 急性期を経験していないと、あとで困る?

困る場面があるかどうかは、あとで行きたい職場によります。求人によっては、経験した分野や年数を応募の条件にしているものもあります。気になるなら、行ってみたい職場の求人の条件を、先に見ておくと安心です。

Q. 新卒で、回復期や慢性期の病棟に入ってもいい?

いいです。新人の1年目のことは、新人だけど、もう無理なときのページにまとめています。入る前に、新人への教え方を確かめておきましょう。

Q. 急性期から別の病棟に移るのは、逃げ?

逃げではありません。急性期で働いた時間は、あなたの経験として残ります。そのうえで、次は別の看護を身につけたい、続けられる働き方にしたい。どちらも、前に進むための選び方です。

まとめ

次の一歩:看護師になって、うれしかった場面を3つ、スマホのメモに書いてみてください。その場面がよく起きる職場が、あなたが続けられる場所のヒントになります。

出典・参考

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